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家族信託の効用

 親世代が持っている将来の不安は、自身が認知症や身体のいうことをきかなくなったときに、生活が不便になったり、身の回りの世話をめぐって子供達の間でもめ事にならないか? ということがらが一番多いと思われます。 次に、相続でもめることなく財産を子供達等に渡していきたいが、当面は自身の生活の質を維持したい、という希望もあります。

 

そういった問題解決にうまくに対応できるのが家族信託であり、家族事情に応じて柔軟にプランを設計するわけです。

 

 

遺言や成年後見制度にはそれぞれ限界があります。共通する限界の一つに、今から親世代の財産を親を含めた家族のために役立てることはできない、というものです。

家族信託はこの問題を回避して、今から 親世代の財産を親だけでなく、家族信託で決めた内容に従って、家族等のためにも役立てることができるという利点があります。

 

結果、遺言や将来の遺産分割等の相続手続きをしなくて済むことになり得るわけです。

 

また、家族信託の効用は他にもあります。

 

それは、例えば、お盆と正月だけにやってくる二男や近所に住む長女に障害を持つ孫がいるような家族事情だとしましょう。

 

こういう場合は、親世代の生活を維持しつつ、子供や孫の将来のために親世代の財産を家族信託財産として扱い、それを役立てるという家族信託を設計して、家族全員が安心できる生活を図るやり方が考えられるわけです。

 

そこでは、近所に住む長女や疎遠な二男を交えて、家族信託設計の目的について話し合いが始まります。 子供どうしで協力する場面が増えて、親世代を中心にコミュニケーションが増えていきます。

 

そして、設計の目的どおり、遺言や将来の相続手続きを回避できることにつながることになります。

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